「年を取ると智恵がつく」というのは、洋の東西を問わず、これまでの長い歴史の中で言われてきた言葉ですね。智恵はきっと高齢者への贈り物に違いありません。だけど年を取ると神経の働きが鈍っていくというのも確かなことですよね。
そもそも智恵とはなんでしょうか。長い人生経験の中で培われた経験、失敗や成功を体験して得た知識、そのようなものを統合して智恵とよぶのでしょう。
昔は、情報を得る方法があまりなかったのだけど、今は、ほんとうにたくさんありますね。特に携帯電話やインターネットが普及していからは、情報を得ようと思えばいくらでも手に入ります。
そこに高齢者の智恵など、入る隙間がないように見えます。高齢者への贈り物であったはずの智恵が、何も役に立たないように思えます。でも、本当にそうでしょうか。
簡単に手に入る情報は、記憶として定着することなく、簡単に出ていきます。高齢者が艱難辛苦の中経験し、脳に刻み込まれた知識は、そうやすやすと消え去るものではありません。そこに確固たる本物の情報があるのです。
それを次世代に自信をもってしっかり伝えることだろうと思います。