ライフヒストリー良知

2-4 回想法

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高齢者介護における回想法とは、アメリカの精神科医バトラーさんによって提唱された高齢者を対象とする心理療法です。バトラーさんは、「人は年齢を重ねていくにつれて、生きてきた意味を模索する心の働きが生ずる」、「人は自分が生きてきた人生の意味は何だったのだろうかと意識的、あるいは無意識的に考えるようになる。これは人として自然で普遍的な過程だ」と言います。

生きてきた意味をみつけるために、ある人は自伝を書いたり、友人と酒場で議論を重ねながら過去を振り返ったりして言語的レベルで模索したりします。ある人は、自分の得意な分野の活動を通じて、生きてきた意味を問い直そうとします。またある人は、身体や心の病や痛みを抱えて、生きてきた意味について内面に向かって表現したりします。

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人生の節目節目で昔を振り返るとき、ややもすれば「私の人生は失敗だった」「後悔がいっぱいある」「若いころの夢は無残にも破れた」などの否定的な気持ちが堂々巡りになります。その中には、ひとり内省しながら心の整理ができる強い人もいます。

しなしながら、過去を振り返るためには相当の大きなエネルギーを使わなければならない。この時に心理学やカウンセリングの訓練を受けた良き聴き手の存在がとても重要になります。

この良き聴き手の条件になるのは、語り手のそばからそっと付き添い、語り手の言葉の中にある意味を理解しようと努めながら、先走らず、先入観を持たず、語り手のペースを尊重し静かに聴く人のことです。語り手の話を温かい気持ちで、無条件に肯定的な関心を持って、心を込めて聴く人がいることで、語り手の心や脳が活性化し、眠っていた力が発揮され、自然治癒力ともいうべき力が動き出していくのです。

この良き聴き手こそが、私たちライフヒストリアンなのです。

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