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父母のライフヒストリーの創作

父母のライフヒストリーの創作

5月中に、我が社のホームページを大幅にリニューアルするため忙しい毎日を送っています。でもブログの更新はそれとは別問題。言い訳せず肝に銘じてこれからもしっかり書き綴りたいと思います。

ところで、最近、自分のお父さんやお母さんのライフヒストリーを書いて残したいという方が増えています。

「お父さんが認知症になって、このままだと何も残さず死んでしまいそうなので、せめて若い頃に頑張っていた父のことを孫たちに伝えたい。」とか、「寝たっきりになったお母さんの昔のことを知りたいんだけどわからない。何かいい方法はないですか?」など。

でも、率直に言って、そのような方々が体験した出来事や昔考えたことを確認したり把握するのはまず不可能ですね。

そういう時は、「あなたのお父さんやお母さんが生きてきた時代のことや体験したこと、その時の思いなどがまったく聴けずわかりません。でも私たちライフヒストリアンはお子さんであるみなさんから聴いた情報を基に、その方のライフヒストリーを創作することはできます。それでもいいですか?」と答えます。自伝を創り出す、いわばノンフィクションとして世に送り出すことになりますね。

考えてみれば、作家が昔の英雄豪傑を題材にして小説を書くときは、今に残されている資料を基に、その作家が創造力と想像力をたくましくして文章にしますよね。それと同じなのです。それが事実であるかどうかは二の次です。

有名ならざる無名の人たちの〈創作自伝〉があってもいいと思います。そのことで、お父さんやお母さんへの親しみが呼び起こされたり懐かしの気持ちが湧き出てきたり、孫たちがお祖父ちゃんやお祖母ちゃんを尊敬する心が生まれてくるなら、とても素晴らしいことだと思うのです。