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人生は、勝ち負けか、損得か、好き嫌いか、善悪か?

人生は、勝ち負けか、損得か、好き嫌いか、善悪か?

かつて藤本義一さんという作家がいました。2012年に亡くなられてからもう7年が経ちます。僕たちにとっては『11PM』というテレビ番組で馴染みが深い大阪が生んだ名作家ですね。

藤本さんが生前、『自分史教室』という講座を開いて、自分史を書こうとする人たちにいろいろ教えていたようです。

藤本さんは、「自分に向かってもう一人の自分に語りかけるのだから、素直に自分の考えや自分に対しての批判も書けるのではないだろうか。文章を書くという気負いもなく、現在の自分の心境を綴ることが自分史への第一歩だ」と言うのです。

また、「文面には一切の気負いもないし、巧みに書こうとする背伸びもない。改めて読んでみると、意外にぜい肉のついていない文章と接することに気づくだろう。無駄なもって回った表現は微塵もない。実はこれが文章の省略なのだ。絵で言えばデッサンといえるだろう。」とも言っています。

また、人間が自分の人生について考えるとき、大きく四つ視点があると。それは「人生を“勝ち負け”で考えるか、“善悪”でみるか、“好き嫌い”で判断するか、一層のこと“損得”で測るのか。ひとりひとりにこの4種のどれかが基準になって自分史は展開されていた。それには四種の軸というか、木の幹から枝や葉っぱが伸びている。」と語っています。

そして、藤本さんは、「自分史とは、結局のところ、何を夢見て生きてきたかを記述するのものだ」と結んでいます。

まったくその通りだと思いますね。