現在、私が関わる高齢者施設で時間があると回想法を行う機会が増えています。
では、私たちが勧めるライフヒストリーとそれらとではいったい何が違うのでしょうか?
基本的にその方の生活史や生きざまをインタビューすることは変わりません。しかし、ライフヒストリーはその方の生きてきた歴史的事実を文章にして残しますが、回想法は高齢者の感情に触れて事実はあまり問わず、記録もさほど残しません。
回想法はグループ回想法と個人ライフレビューに分かれます。グループ回想法の場合、どちらか言うとレクレーション的な要素か強く、テーマが多様でみんなが楽しく行うことに主眼を置いていますね。
一方ライフレビューは、心理カンセリング的な技法に近く、その方の希望に沿って語りたい話題が中心で、それによっていろんな展開が可能になります。
ライフヒストリーは社会学と歴史学、それに民俗学。ライフレビューは心理学に脳科学、そして介護学。この二つの概念は不可欠です。これに加え記憶を記録に遺すための言語学や文章表現力、その内容を出稿するITの力。これに加えてやはりマーケティングですね。この5本柱の安定性が必要でどれが欠けてもこの事業は成り立たないと思っています。