語彙とは何か?語彙とは、語の集まりのことです。
語は、内容語と機能語に分けて考えるのが一般的です。内容語は名詞・動詞・形容詞など実質的な意味を持ち、漢字やカタカナ名で表されることが多い語のことです。内容語を扱う能力が語彙力と呼ばれるものです。
語彙力は、語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)の等式で表すことができます。
私たちが“ライフヒストリー良知”を展開する上で、この語彙の量をいかに増やしていくかを常に考えていきます。
さて語彙とは、次の11の項目に分類することができます。
①類義語【似た意味の語、(例)チェックする⇒目を通す、確認する、修正する、手を入れる、検討する】
②対義語【反対の意味の語、(例)細かい⇔粗い、破壊的⇔創造的、生産⇔消費、節約⇔浪費】
③上位語と下位語(その語の上位・下位に位置する語)【(例)携帯の上位語は[電話]、下位語は[ガラケー][スマホー]、(例)最近50歳に近くなった私は「髪に白いものが交ざる」ようになった。白いものには「雪」「灰」「ふけ」なども想像できるが、ここは「白髪」をぼかして言う】
④語種(和語・漢語・外来語、2つ以上組み合わさったものは混種語という)【和語-漢語-外来語、(例)速さ-速度-スピード、台所-厨房-キッチン、買い物-購入-ショッピング】
⑤文字種(平仮名、片仮名、漢字)【(例)紫陽花(あじさい)、引っ張り凧(ひっぱりだこ)、たくみ(匠・巧み・工)、かたい(固い、硬い、堅い)、ひとえに(偏に)、いたずらに(徒に)、すこぶる(頗る)など】
⑥話し言葉と書き言葉(音声・文字のどちらに表れるか)【話し言葉-書き言葉、(例)世の中-世間・世界、食べ物-食料・食糧、調べる-調査する、いろいろな-様々な・多様な】
⑦日常語と専門語(どのような対象・内容を表すか)【(例)教育学⇒乳児(出生から生後1歳未満)、幼児(満1歳から小学校就学前まで)、学校教育法⇒児童(小学生)、生徒(中学生・高校生)、学生(大学生)、児童福祉法⇒児童(18歳未満はすべて)】
⑧標準語と方言(地域による違い)【私たちが文章を読んだり書いたりする場合、多くは標準語をベースに行うが、日本には地域ごとに多様な方言があり、それが日本語の語彙を豊かにする。】
⑨新語と古語(時代による違い)【新語-古語、(例)熱中症-日射病、認知症-痴呆症、統合失調症-精神分裂症、雅言葉(例)春の宴(春の宴会、春のコンパ)、読書に耽る(本を読む)、文語調(例)誰(た)が為に鐘は鳴る-誰のために鐘はなる、風と共に去りぬ-風と共に去った】
⑩実物(多様な経験をすれば語彙が増える)【言葉に詳しくなるためには、現実世界の実物に詳しくなること】
⑪語構成(意味の最小単位の組み合わせを仕組みを考える。これを形態素という)【(例)人のことについて、
人(にん)⇒職人、商人、役人、悪人、犯人、
人(じん)⇒個人、友人、新人、知識人、老人 、
人(ひと)⇒村人、旅人、待ち人、尋ね人 、
者(しゃ)⇒業者、学者、医者、編集者、生産者、
者(もの)⇒若者、悪者、曲者、愚か者 、
民(みん)⇒国民、市民、農民、漁民、難民、
員(いん)⇒職員、社員、議員、公務員、乗務員、
官(かん)⇒教官、技官、裁判官、外交官、自衛官、
家(か)⇒作家、画家、実業家、投資家、評論家、
手(しゅ)⇒歌手、運転手、助手、選手、投手、
師(し)⇒教師、医師、調理師、庭師、詐欺師、
士(し)⇒弁護士、税理士、栄養士、武士、博士、】
私たちは頭のなかの使える語彙のレパートリーを増やすことを目指します。