ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

年表、そしてMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

希望の2021年を迎え、皆さま、明けましておめでとうございます。

僕が敬愛する歴史家、司馬遷は『史記』を著すとき、それまでになかった〈年表〉というものに着想しました。

史記』は、「本紀」12篇、「」8篇、「」10篇、「世家」30篇、「列伝」70篇の順で組み立てられています。この中の「」というのが、いわゆる〈年表〉のことです。

」は、皇帝の年代記である「本紀」の後を受けて、歴史の推移を、一目瞭然にわかりやすく知らしめるために整理したものです。

史記が出来上がったのは今から2千年ほど前のことです。今でこそ、年表は歴史書に付けるのが当たり前になっていますが、当時は全く考えにも及ばなかったようですね。

いかに司馬遷が卓越した創造性を持っていたか、また、伝記を読めば読むほど、司馬遷という歴史家がどれだけ才能溢れる凄い人物であったかよくわかります。

若いときから、父親に連れられ中国国内を旅し、そこで見聞きしたことの大部分を自分の脳に記憶させていたようです。何しろ、レコーダやカメラなど何もない時代でしたから。

それらを書き著すのは、紙ではなく竹簡か木簡。ひとつの竹札、木札に書ける字数は僅か20文字か30文字で、これを冊にします。

一度書いた竹簡や木簡に書き加えたり、改めたりするときは、その部分を削り取らなければなりません。私たちの想像を絶する作業になります。

司馬遷は、友達の李陵をかばって3年の間、牢に繋がれていました。厳しく問い詰められ拷問を受け、最後には宮刑(男の一物を切り取る死刑の次に重い罪)に処せられ宦官にさせられました。普通なら人生を悲願して死を覚悟するところです。

中国には『発憤著書の説』という言葉があります。これは「この世で志を失った者が、心に結ばれるものに思いを巡らし、感激発憤したものをひたすら文章に託す」という人の生き方のことを言います。

司馬遷にとってみれば、書くというのは生きることでした。それがこの世で生き恥をさらした者にとって、唯一後世に名を残す方法だったのです。

つまり、『史記』とは司馬遷が自分の心のうちを、それを志にして書く史書だった。言い換えれば、自分の生ける証として書く、全く私的な史書だったのです。

史記は、司馬遷が望んだ通り、今も光を放って生き続けていますね。

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2021年を迎え、ライフヒストリー良知のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を再構築しました。

ミッション:ライフヒストリーを聞き書きして、人々を幸せに!

□ビジョン :老年者にもっとも信頼されるライフヒストリアンに。

□バリュー :人一人の生きてきた歴史の話を聞いて書いて読むのはほんと楽しい。

顧客の価値

1.記憶力の強化など脳の健康を保つ。

2.カタルシス(心の浄化)を得る。

3.後世や子孫への宝物にする。

①書き記したライフヒストリー 

②生涯にわたって撮影した写真

③聞き書きして録音した肉声

④賞状や盾、トロフィーなどの受賞品の写真

⑤作文や日記、論文などの写し

⑥絵画や書筆、彫刻などの作品の写真

⑦自ら奏でた楽器や歌った歌の録音

4.家族の団欒と融和をはかる。

5.書籍を出版し印税を得る。

6.亡くなった愛する人の思い出を保つ。

7.今の自分が何者であるかがわかる。