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なぜ、記憶の劣化を予防するのか?

なぜ、記憶の劣化を予防するのか?

〈記憶と情動の脳科学〉という記憶のことを書いた本があります。執筆したのは、ジェームス・L・マッガウというアメリカのカリフォルニア大学アーバイン校(当時)の教授で、薬物やホルモンが記憶と脳に及ぼす影響を研究で著名な業績をあげた脳科学の世界的権威者です。教授は冒頭の次のようなことを述べています。

「現代人にとって、過去の記憶はお金を払ってでも保っておきたい一番大事な持ち物なのです。また、新しいことを覚えていく記憶能力はお金を払ってでも手に入れたい最も需要な能力なのです。」

「なぜなら、自己というものは記憶によって成り立っているからです。記憶があるからこそ、自分が所有するあらゆるものを評価できるのです。もし記憶がなければ、自分の心臓の調子や髪の毛、性欲、恋人、敵、業績、失敗、収入や所得税について気にかけることもなくなるでしょう。」

「自分がこれまでどんな人生を送ってきたかを教えてくれるのも記憶です。記憶があることによって、瞬間瞬間の新しい経験を次々に適切に理解し、それに反応することができます。」

「記憶があることによって、個人のばらばらな経験のつぎはぎではなく、それらを組み合わせた一つのまとまりにある存在になります。」

「人間は瞬間瞬間に生きています。しかし、静止した映画のフィルムの一コマ一コマがつながって動画に見えるように、現在の瞬間が経験と混ざり合うことによって、人生は切れ目なく続いているという印象を持つことができるのです。」

そして、最後に、

「つまり、記憶こそが過去と現在、未来を統合してくれているのです。」

なぜ、私たちが人々の記憶の劣化や認知症を予防するためにライフヒストリー良知の事業を展開するのか? マッガウ博士の言葉にその答えがありますね。