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前頭葉をどう鍛えていくか!

〈前頭葉〉をどう鍛えていくか!

「〈思考の老化〉をどう防ぐか」というタイトルで、著名な精神医学者の和田秀樹さんは本を出しています。今日のような知識社会では、〈前頭葉〉の使い方がひじょうに重要となるというのが、その主旨です。この〈前頭葉〉という脳の部位は、脳が成長していくプロセスからみても、もっとも後から成長し、そしてもっとも早く老化する部位だといいます。

ところで、認知症の種類のひとつに、〈前頭葉・側頭葉型認知症〉というのがあります。これは脳の前頭葉や側頭葉のニューロン(神経細胞)が少しづつ壊れていくことによっていろんな症状が出てく認知症ですね。経験上、この認知症がいちばんたいへんです。これを抱えている人は自分の思い通りに衝動的に行動しようとするし、抑制がきかない。性格が変わることもある。前頭葉が壊れることの恐ろしさを身につまされている。

では、この前頭葉を劣化や老化を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。まずつまらないテレビを見ないこと、くだらない新聞や週刊誌は読まないことをお勧めします。次にやはり運動ですね。有酸素運動によって酸素を脳に供給するのです。1日に5.6キロ、月に150~180キロは歩きたい。できればすぐ近くのコンビニは歩いて行きましょう。

問題を解くより問題を作る人、結果に納得するよりも仮説をたてる人になる。これらが前頭葉を鍛えることになります。つまり創造力なのです。その意味で高齢者が自伝を作成するという行為は、前頭葉を鍛える最良の方法のひとつだと思います。記憶を呼び起こすことは脳に記銘されている前頭葉をはじめとする様々な脳の部位に活力を与えることになりますから。

経験したこと、考えたこと、成功したこと、失敗に終わったこと、楽しかったこと、うれしかったこと、幸せに感じたこと、苦しかったこと、悔しかったこと、悲しかったことなど、すべて自分の人生の中にあるいろんな出来事を思い起こして未来につなげていく。この一連の作業はすべて前頭葉を鍛えていくことになるのです。そして自分が死んだあとにも、その記録を遺すことができるという幸福感が生まれてきます。これもまた前頭葉を動かしますね。

〈ライフヒストリー良知〉の使命は、「前頭葉を鍛え活力を与えることだ」と言っても言い過ぎではないのです。