ライフストーリー(自己物語)の書き換え
過去を振り返ると、成功した体験、誇らしい出来事、楽しい思い出がある反面、失敗し挫折した体験、恥ずかしい出来事、消していまいたい思い出があったりしますね。
肯定的な意味を持つ過去はいいけれど、否定的な意味を持つ過去に脅かされたり、支配されたりすることが多々あります。 そうした過去へのとらわれから解放されて、自由に動けるようになるためには、カウンセリングの傾聴がとても効力を発揮したりします。
そこで行われているのは、忌まわしい過去や否定的な意味を持つ過去の書き換えなのです。人は誰でもライフヒストリーにおける一つ一つのライフストーリーを、書き換えることができるなら書き換えてしまいたい部分を持っています。
しかし、書き換えと言っても、過去に起こってしまった出来事を起こらなかったことにすることなどできるはずがありません。出来事そのものを書き換えたり、消し去ったりできるわけがない。できるのは、事実としての出来事の持つ意味、そしてその出来事が自分にとってどんな意味を持っているかについての解釈のし直しなんですね。
この時、必ず聞き手が存在がなければならない。人はライフストーリーの書き換えを行うとき、自分の語りに耳を傾けてくれる良き聞き手が必要なのです。
何度も過去を繰り返し回想したり思い出したりすることによって、崩壊し無効化してしまったライフストーリーに代わるものが徐々に形を取り始めていきます。
このとき大切なのは聞き手の共感を得ることですね。その事によって、その人のライフストーリーは単に一人だけの思い込みでなくなっていきますから。そのためにも良き聞き手を得て、心底から洗い晒しに話し語ることなんですよ。
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