歳を重ねていくと、いろんな喪失体験に遭遇しますね。
仕事を失い、収入源を失い、健康を失い、配偶者や友人を失い、自尊心や誇りを失い、社会参加の機会を失い、将来の夢や希望を失う。孤立したり孤独になる。
僕の関わる施設にも少なからず心の病を抱える高齢者が入所してきます。一見認知症によく似た症状でもあるので間違えることが多いけれど、明らかに脳の機能箇所が違う。
昨日、大学で心理学の教鞭を取りながらプロの心理カウンセラーとして活躍し、僕が師事している田中正晃先生に会い、高齢者のカウンセリングについていろいろ語り合いました。
欧米では著名な政治家や大企業の経営者には、必ず専属のカウンセラーがいて心理療法が一般化されている。
もっとも聖書にカウンセリングという文言がたくさん書かれているなど、キリスト教文化圏と日本では事情が大きく異なるけれど。
それでも老年期の心理カウンセリングは、今後高齢者が増加するなかで、心の病を阻止したり改善したりするための有効な手段になり、認知行動療法などの技術や能力を磨き上げていくことがますます必要になりそうですね。