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73回目の8月15日

いつもありがとうございます。

昨日8月15日は1945年に太平洋戦争が終わって73年目の記念日でしたね。介護施設で10人近くの高齢者の人たちと一緒にテレビで政府主催の記念式典の様子を感慨深く視ていました。

テレビを視終わった後、大阪出身で昭和7年生まれの女性が僕に声を掛けてくれて、『カンさん、あんなテレビを見るといつも思い出すの。それはね、私と仲が良かった友達のお兄さんのこと。特攻隊に志願して飛行機に乗る時、私に「○○ちゃん、僕の妹よろしく頼むわ」と言ってアメリカの船に突っ込んだのよ。』と言って涙を流されました。

これまで本当にたくさんの人たちから先の戦争のお話を聞いてきました。南方の戦線に行って九死に一生を得た人、満州からシベリアに7年もの長い間抑留されてきた人、軍人として朝鮮半島の大邱(テグ)で終戦を迎えた人、兄や弟を戦いで亡くした数多くの女性たち。みなさん悲しく辛い思い出話ばかり。これから、時間の流れと共にそれがだんだんと風化していきますね。その人たちの記憶がどんどん薄れていきます。

あと10年もすれば戦争を知らない世代の人たちが高齢になり施設に入ってくるでしょう。その時代になったら、“8月15日は単なる歴史の1ページとして残されるだけ”ということになっていくのでしょうか。