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オキシトシン

記憶の研究をしていると、脳に行き交う神経伝達物質のことを語らずにはいられません。

神経伝達物質と言えば、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの物質をどこかで聞いたことがあるなぁという人が多いと思います。またアセチルコリンという神経伝達物質が減少することでアルツハイマーになることが明らかになっていますね。

ところで、オキシトシンという神経伝達物質のことを知る人はあまり多くないのではないでしょうか。もっとも最近はテレビや雑誌でこの物質が紹介される機会も多いので、徐々にその名が知られるようになってきたと思いますが。

人から優しくされたり、愛されたりするとオキシトシンが産出され、また人を愛したり、人に優しくしたりすることでも、オキシトシンがたくさん出るようですね。つまり、他者のための行動とか利他のための行為によって、このオキシトシンが大きく増やされていくのです。

介護施設で、またライフヒストリー良知のインタビューにおいて、私たちが高齢者の昔話を共感しながら傾聴するとき、また話の内容を受容するとき、私たちの脳内にはこのオキシトシンがたくさん出てきて、とても幸せに満ちた気持ちになるのですね。

オキシトシンは心と体の健康を維持する上で、もっとも大切な神経伝達物質のひとつと言われています。仕事をしながら健康寿命を伸ばすことできるなんて、なんと幸せなことでしょうか。

英瑠20160930