ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

語りの編集

ライフヒストリーの基本は、まず黙って聴くことです。

口述自伝を作成する際、語り手は語り慣れているような人であっても、実は、繰り返しが多かったり、要点がまとまらず長い言葉になったり、けっこう表現に苦労するケースが見受けられますね。

その際、注意しているのは、私がその言葉を客観的にまとめてしまわないようにすること。語り手は、話をまとめるとけっこう賛同はしてくれますが、その方の語りや言葉でないので、自伝としての価値や魅力は半減してしまいます。

禁句なのは、「要するに」という言葉ですね。それを発した瞬間にライフヒストリーは語り手の文脈から離れていくくのです。耐えないとね。その時代のことが明らかに間違っている場合は指摘しますが、その場合でも、話の腰を折るようなことは避けないとダメですね。なぜなら、その後の話が続かないことが多いからです。

テープ起こしは技術ですね。ライフヒストリー良知では、「聞き書き言葉」という独自の表現方法で文章に落とし込んでいきますが、かと言って語りをそのまま起こすと全体的な構成がおかしくなるので、やはり必要な編集を行わなければなりません。そこがけっこう難しい。

ライフヒストリーのおもしろさは、自分で書いたら出てこないもの、或いは異なった形になっているものを「聴く」ことと「訊く」ことによって引き出すことにあると言ってもいいと思いますね。表情や言い回し、身振りや手振りなどをしっかり確認しながら、編集していくのですよ。