記憶のエラー
今から5年前、カリフォルニア大学のローレンス・パティヒスとそのチームが、記憶力の完璧さを調べようとして自伝的記憶の優れた学生を選び『過誤記憶実験』を行った結果、人の記憶力というのは如何にいい加減かをデータを使って明らかにしました。
中・高齢者が昔を振り返るとき、記憶のあいまいさやエラーをどう捉えるか。
口述自伝を作成する場合、記録として遺すためその記憶に明らかな間違いがあるのなら聴き手として訊き直します。しかし、これまでの経験から記憶を思い出し直すことは至難の技ですね。
これが、後日、ふと想起することがあります。その時、自伝をハードブックにして完成させていたら、それを訂正することがとても難しくなり、様々なリスクとなって跳ね返ってきます。
私は、そのリスクを避けるために、口述自伝作成事業“ライフヒストリー良知”では、常に手直しができるようにソフトウエアーを作り、いつでもどこでもパソコンやスマホ―でその方の「生きてきた歴史」を見られるようにしたのですよ。