ライフヒストリー良知

年表

1988年(昭和63年)

干支:辰(たつ)

政治

1月8日 政府、在日米軍駐留費のうち日本人従業員手当全額負担の特別協定改定を決定。
1月12日 竹下首相訪米、1月13日レーガン大統領と会談、米側、建設市場と牛肉・オレンジ市場の開放を要求。1月15日カナダ・マルルーニ首相と会談。
1月26日 政府、大韓航空機事件(1987年11月29日)を北朝鮮の組織テロと断定。公務員入国禁止などの北朝鮮制裁措置を発表。9月16日解除。
2月28日 参議院大阪選挙区補欠選挙、共産党吉井英勝、自・社両党候補を破り当選。
4月22日 奥野誠亮国土庁長官、靖国神社参拝問題で〈鄧小平の言動に振り回されるな〉と発言。5月3日銭其琛中国外相、北京で宇野宗佑外相と会談、公式に批判。5月13日奥野長官辞任。
4月29日 竹下首相、伊・バチカン・英。西独歴訪に出発。
6月19日 竹下首相、トロント・サミットに出席。6月20日レーガン米大統領と会談。
6月28日 閣議、消費税導入・所得税減税など不公平税制解消を図る税制改革要綱を決定。
7月5日 リクルートコスモス未公開譲渡問題で中曽根康弘前首相・安部晋太郎自民党幹事長・宮沢喜一蔵相の秘書関与が判明(渡辺美智雄自民党政調会長・加藤六月元農相・加藤紘一元防衛庁長官・塚本三郎民社党委員長への譲渡も判明)。7月6日竹下首相元秘書への譲渡も判明(リクルート事件)。
7月27日 衆議院本会議、〈1988年分所得税臨時特別法案〉を全会一致で可決。7月29日参議院可決・成立。
7月29日 政府、税制改革関連6法案を国会提出。
8月1日 土井たか子社会党委員長、衆議院で税制改革法案審議前にリクルート問題解明を要求。8月4日衆議院予算委員会、社会党ボイコット、自公民主導に。
8月25日 竹下首相訪中、李鵬首相と会談。
9月9日 衆議院本会議、〈税制問題等調査特別委員会〉設置を決定。10月12日特別委員会、参考人として江副浩正リクルート前会長を臨床質問。
9月17日 竹下首相、ソウルオリンピック開会式出席のため訪韓、盧泰愚大統領と会談。
9月22日 政府、昭和天皇の容態悪化に伴い皇太子明仁に国事行為委任を決定。
10月10日 コスモス株譲渡問題で、加藤孝前労働事務次官への譲渡判明(藤波孝生元官房長官・高石邦男前文部事務次官らの関与も判明)。
11月10日 自民党、衆議院税制特別委員会で消費税導入を柱にした税制改革関連6法案を単独強行採決。11月16日本会議可決。
11月15日 衆議院本会議、〈リクルート問題調査特別委員会〉設置を決定。同委員会、コスモス株譲渡リスト公表(政財界26人)。11月21日江副前会長・高石前文部・加藤前労働事務次官を証人喚問。
12月6日 参議院税制特別委員会、江副前リクルート会長・式場英NTT取締役を証人喚問。
12月7日 本島等長崎市長、市議会一般質問に〈天皇に戦争責任があると思う〉と答弁。
12月9日 宮沢蔵相、コスモス株譲渡につき3度の釈明訂正の責任をとり辞任。
12月21日 自民党、参議院税制特別委員会で消費税導入の税制改革6法案を強行採決。12月23日参議院本会議、社共両党が竹下首相問責決議案など提出、牛歩戦術とる。12月24日社共両党退席、税制改革関連6法案可決。
12月27日 竹下改造内閣発足。12月30日長谷川峻法相、リクルート社からの献金判明、辞任。

経済

1月4日 円相場、東京市場で120円45銭を記録。
2月2日 GATT理事会、日本の農産物10品目輸入制限を違反と裁定、輸入自由化勧告。
3月13日 青函トンネル開通(世界最長の53.9キロ)、JR津軽海峡線中小国~木古内開業。
3月29日 日米公共事業協議決着、公共事業・民間事業への米企業参入歓迎で日本側大幅譲歩。
4月1日 マル優制度、シルバー・マル優を除き撤廃、すべての利子所得に20%課税実施。
4月7日 日経平均株価、終値で2万6,769円22銭(1987年10月14日以来の史上最高値)。
4月10日 瀬戸大橋開通(本州四国連絡橋児島~坂出ルート)、JR本四備讃線開業。
4月19日 NTT、総合デジタル通信網(ISDN)サービス開始。
5月7日 OECD、外務省・大蔵省に海外投資収益急増が黒字幅削減に支障と警告伝達が判明。
5月12日 証券界、インサイダー取引自主規制案まとめる。6月1日、日本証券業協会、管理規制制定。
5月24日 大蔵省、対外純資産総額1兆716億ドル(1987年末)で3年連続世界一と発表。
5月25日 証券取引法改正案(インサイダー取引規制)・金融先物取引法、参議院で可決・成立。
5月30日 鳥取・島根県知事、中海・宍道湖干拓淡水化凍結で合意。
5月 鉄鋼大手5社、内需拡大で最高の好決算、合理化計画一部延期。JR7社、経常利益1,516憶円の好収益(見込みの4倍)。NTT、経常利益4,967憶円(前期比38.8%)で日本一。
6月20日 佐藤隆農水相・ヤイター米通商代表部代表、牛肉・オレンジ輸入自由化で合意。
7月8日 閣議、生産者米価4.6%引下げ(60㎏1万6,743円)決定。
7月14日 厚生省、ミドリ十字に無許可検査薬不正輸入など薬事法違反で35日間営業停止処分。12月22日無許可検査薬で保険不正請求は562病院、61億円と発表。
8月5日 88年版≪経済白書≫〈内需型成長の持続と国際社会への貢献〉発表。
9月3日 東京・大阪両証券取引所、株価指数先物取引開始。
9月14日 米国精米業者協会、日本の米穀市場開放を求め制裁措置発動を通商代表部に提訴。10月28日条件付きで却下。
9月30日 西武セゾングループ、英多国籍企業グランド・メトロポリタン所有のインターコンチネンタル・コーポレーションの経営権を21億5,000万ドルで買収と発表。
10月7日 政府、EC内日系企業の電子製品へのECダンピング課税は不当とGATTに提訴。
10月21日 日本ニット工業組合連合会、安価な韓国製セーター類はダンピングと大蔵省に提訴。1989年2月2日韓国、対日輸出自主規制で決着。
11月1日 日銀、短期金融市場で新調整方式導入(1ヵ月未満の手形買いオペ開始など)。
11月4日 米国防省、戦略防衛構想(SDI)の一部を三菱重工業・川崎重工業など日本9社が受注と発表。
12月7日 日経平均株価、終値で3万50円82銭と史上初の3万円台。
12月11日 日ソ漁業交渉決着(日本の漁獲割当量31万t、漁業協力費19億8,000万円)。
12月23日 ジャパンライン・山下親日本汽船、合併覚書に調印(新会社はナビックス・ライン)。

国際

1月13日 〔台湾〕蒋経国総統死亡、後任は台湾出身の李登輝副総統。1月14日趙紫陽中国共産党総書記、哀悼談話発表。
2月4日 〔パナマ〕米マイアミ連邦地裁、麻薬取引容疑で反米派ノリエガ軍司令官起訴。2月25日デル・バイェ大統領、ノリエガ解任。2月26日議会、大統領逆解任。3月11日米政府、パナマ運河使用料支払いの停止など4項目の経済制裁措置発表。
2月 〔ソ〕アゼルバイジャン共和国でアルメニア人のアルメニア共和国帰属変更要求デモ。
3月23日 〔ニカラグア〕政府・反政府ゲリラ(コントラ)、4月1日から60日間停戦に合意。
3月25日 〔中〕第7期全人代大会第1回会議開幕(~4.13)、楊尚昆国家主席・李鵬首相選出。
3月31日 〔韓国〕大検察庁、全敬煥(全斗煥前大統領実弟)を横領容疑で逮捕(セマウル疑惑)。
4月14日 アフガニスタン・パキスタン・米・ソ・ジュネーブでアフガニスタン和平協定調印。5月15日駐留ソ連軍撤退開始。1989年2月15日撤退完了。
5月8日 〔仏〕大統領選挙決選投票でミッテラン再選。
5月29日 モスクワで米ソ首脳会談。6月1日INF全廃条約批准書交換。
5月31日 第3回国連軍縮特別総会開幕(~6月26日)。
6月21日 〔ビルマ〕ラングーンで反政府学生デモ。7月25日ネ・ウィン社会主義計画党議長、臨時党大会で辞任(26年の独裁終焉)。8月以降全国で民主化要求、無政府状態。9月18日国軍、クーデタで政権掌握、ソーマウン参謀総長中心に軍政に。
6月28日 〔ソ〕47年ぶりの第19回全連邦党協議会で、最高会議全面改組・人民代議員大会創設を提案。12月1日臨時最高会議、憲法改正(人民代議員大会創設など)・選挙法改正案可決。
7月3日 〔米〕軍艦、ペルシア湾でイラン旅客機誤射、290人全員死亡。
7月18日 〔イラン〕国連の停戦決議受諾と発表。8月20日イラン・イラク戦争、8年ぶりに停戦(死者100万人、戦費推定2,300憶ドル)。
8月23日 〔米〕包括通商法案成立(スーパー301条新設)。
9月19日 〔ポーランド〕メスネル内閣総辞職。
9月30日 〔ソ〕共産党緊急中央委員会、グロムイコ最高会議幹部会議長ら古参幹部解任。
10月6日 〔チリ〕ピノチェト大統領、再任(軍政)を問う国民投票で敗北。
11月8日 〔米〕大統領選挙、共和党ブッシュ当選。1989年1月20日就任。
11月15日 アルジェでパレスチナ民族評議会、パレスチナ国家樹立宣言、イスラエル反発。
11月16日 〔パキスタン〕総選挙で野党人民党勝利。12月2日ブット女史、首相就任(イスラム教国初の女性首相)。
11月19日 〔ユーゴ〕ベオグラードでセルビア人集会、コソボ問題で民族対立激化。
11月23日 〔韓国〕全前大統領、光州事件・不正蓄財などを謝罪、財産返還し隠遁生活へ。
12月1日 〔中〕銭其琛外相、31年ぶりにソ連訪問。
12月7日 〔ソ〕ゴルバチョフ書記長、国連総会で兵力50万人削減と発表。
12月13日 アラファトPLO議長、ジュネーブの国連特別総会でイスラエルの存在を公式確認。12月14日米、PLOと交渉開始。12月15日国連総会、PLOをパレスチナとする呼称変更決議。
12月13日 アンゴラ・キューバ・南アフリカ、アンゴラ和平評定書調印。
12月19日 〔インド〕ガンジー首相、34年ぶりに訪中。同29日には28年ぶりにパキスタン訪問。

文化

1月10日 国立歴史民俗博物館、76年に千葉県の稲荷台古墳群から出土した鉄剣から〈王賜〉に始まる12文字の日本最古の銘文発見と発表。
1月12日 日本医師会生命倫理懇談会、脳死を個体死と認定、臓器移植容認の最終報告書を発表。
1月12日 奈良国立文化財研究所、平城京南東隅出土木簡より奈良時代初期の政治家長屋王邸跡判明と発表。9月12日木簡3万点新たに発見。
1月14日 環境庁、江戸時代の鳥獣類分布調査発表。
1月15日 第25回ラグビー日本選手権で早稲田大学、東芝府中を破り16年ぶり4回目の優勝。
2月6日 弘前市教委、砂沢遺跡で弥生時代前期の最北の水田跡と発表。
2月14日 第15回冬季オリンピック・カルガリー大会開催。黒岩彰、スケート500mで3位入賞。
2月15日 文部省大学入試改革協議会、現行の共通1次試験に代え〈新テスト〉実施との最終報告書提出。7月29日〈大学入試センター試験〉と命名。
2月20日 日本産科婦人科学会、夫婦間で凍結受精卵の子宮移植承認。
3月15日 最高裁、カラオケ訴訟でカラオケに著作権認定の初判断、スナック経営者の上告棄却。
4月5日 都立多摩動物公園、特別天然記念物コウノトリの人工繁殖に初成功、雛1羽孵化。
4月8日 東京グローブ座開場(シェークスピア時代の劇場空間復元)、M.ボグダノフ演出〈薔薇戦争七部作〉上演。
4月8日 東京隅田公園に移動劇場〈下町唐座〉完成、唐十郎作・演出〈さすらいのジェニー〉上演。
4月11日 坂本龍一、〈ラストエンペラー〉で第60回アカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞。
4月29日 東京日生劇場でA.L.ヴェーバー作曲、H.プリンス演出〈オペラ座の怪人〉(劇団四季)上演、9月20日までのロングラン。
5月9日 奈良県藤ノ木古墳第2次調査開始。6月2日ファイバースコープによる石棺内探査で金銅製品など大量の副葬品の存在判明。10月7日開棺、金銅冠・玉類・銅鏡などの埋葬品、人骨2体発見。
5月24日 初任者研修制度導入の教育公務員特例法改正案、衆議院本会議で可決・成立。
6月1日 最高裁、自衛官の妻による〈自衛官合祀拒否訴訟〉で1・2審破棄、政教分離の原則に違反せずと合憲判決。
6月14日 田部井淳子、北米マッキンリー登頂成功、5大陸最高峰を踏破。
7月11日 浦安市・東京ベイNKホール開場。
9月17日 第24回ソウルオリンピック大会開催(史上最多160ヵ国・地域、1万4,500人参加)。日本は100m背泳ぎで鈴木大地、レスリングで小林孝至・佐藤満、柔道で斎藤仁が金。
9月22日 自民党、三省堂の検定済高校用英語教科書中の〈War〉記述(日本軍の残虐行為)に抗議、修正を要求。10月3日三省堂、文部省に差替え手続き申請(文部省認可)。
9月29日 米・カナダ・日・ヨーロッパ9ヵ国、今世紀最大の宇宙開発プロジェクトの宇宙基地協力協定調印。
10月30日 ワシントンで〈大名美術展〉開催。
11月18日 東京・サントリーホールで一柳慧作曲〈交響曲ベルリン連詩〉(岩城宏之指揮)初演。
12月31日 鹿児島県の今給黎教子、女性初のヨットでの太平洋単独往復成功。
この年 書籍:吉本ばなな〈キッチン〉、高樹のぶ子〈虹の交響〉、石弘之〈地球環境報告〉。

社会

2月4日 エイズ感染者増大、加熱処理血液製剤開発の遅れが原因と判明、臨床試験責任者・安部英帝京大学副学長の治験期間操作も判明。2月7日〈全国ヘモファリア友の会〉、米製血液凝固剤による血友病患者のエイズ感染は〈薬害〉として国・製薬会社へ救済要求を決議。
2月10日 ファミコンソフト〈ドラゴンクエストⅢ〉発売、100万個即日完売。
2月12日 四国電力、伊方原発の出力調整試験強行。のち北海道電力・柏原発運転反対、北陸電力・志賀原発着工反対など反原発運動高まる。
3月1日 最高裁、水俣病刑事裁判でチッソ元社長らの有罪確定、32年ぶりに決着。
3月17日 東京ドーム落成式。
3月23日 東京都青少年問題協議会専門部会、青少年健全育成条例に淫行処罰規定不要と結論。
3月24日 中国、上海郊外で修学旅行中の高知学芸高校生26人・教師1人、列車事故で死亡。
4月7日 厚生省、エイズ研究センター・エイズ医療情報センター設置。
4月11日 美空ひばり、東京ドームで復活公演。
5月20日 特定物質の規制などによるオゾン層の保護に関する法律公布。
6月18日 リクルート社(江副浩正会長)、川崎市再開発事業参入に際し、小松秀煕同市助役にリクルートコスモス未公開株譲渡が判明。6月20日小松助役解職。7月6日江副リクルート会長辞任(7月26日リクルートコスモス会長辞任)。株購入の森田康日本経済新聞社社長、引責辞任。
7月23日 横須賀湾沖で海上自衛隊潜水艦〈なだしお〉、大型釣船〈第一富士丸〉に衝突、同船沈没、30人死亡。7月28日衆議院で竹下首相、自衛隊の非(救済活動不十分など)を認める。8月24日瓦力防衛庁長官、引責辞任。
7月 東京月間日照時間史上最少(61.8時間)。
9月5日 社民連の楢崎弥之助代議士、松原弘リクルートコスモス社長室長からの贈賄行為暴露。9月8日同代議士、江副前会長・池田友之リクルートコスモス社長・松原前室長を贈賄罪で告発。10月19日東京地検、強制調査。10月20日松原逮捕。
9月19日 昭和天皇、吹上御所で大量の吐・下血・天皇の容態悪化で行事や宣伝など自粛ムード広がる。
10月31日 リクルート社、コスモス未公開株を真藤NTT会長に秘書名義で譲渡が判明。式場英・長谷川寿彦取締役への譲渡も判明。12月14日真藤会長辞任。
11月11日 青梅信金女子職員。元暴力団員への総額9億7,000万円不正送金が判明。11月14日逮捕。
12月19日 北海道・十勝岳、26年ぶりに噴火。
12月30日 神戸市、太陽神戸銀行須磨支店で3億2,250万円を積んだ現金郵送車、乗逃げされる。
この年 NIES、ヒロセタカシ現象、トマト銀行、自粛、アグネス論争、東北熊襲放言、オバタリアン、ぬれ落葉、コンビニエンス症候群

世相

瀬菅トンネル、最後のドラを鳴らす 13日夕、青函トンネル開通に伴い、青函連絡船は歴史の幕を閉じた。函館発の〈羊蹄丸〉と青森発の〈八甲田丸〉は、午後6時55分、下北半島福浦沖ですれ違い、2度ずつ汽笛の交換をしたのち、ほぼ同時刻の9時5分前、函館、青森両港に到着し、最終の航海を終えた。80年間に延べ7,884万㎞を航行し、1億5,545万人の人々を運んだ。
ワシントン条約遵守は困難? 1987年12月1日にワシントン条約国内法が施行され、動・植物630種の国内での売買が禁止となった。しかし、絶滅のおそれがあり、国際商取引が禁止されているインド産のクマの胆のうが、約4,800頭分、1988年1月まで7年間不正輸入されていた。(4月15日、野生動植物国際取引調査記録特別委員会日本支部の調べ)。また8月25日には、乱獲による生息数の激減が心配されている中南米のワニ、メガネカイマンの皮革が東南アジアに密輸に出され、さらに輸出許可書の偽造などにより日本に大量に不正輸出されていることも、同支部の調べでわかった。1月から7月までにタイを経由して輸入された分は、12万7,000頭にのぼる。
長島と本土を結ぶ橋、邑久長島大橋完成 ハンセン病国立療養所〈長島愛生園〉と〈邑久光明園〉のある瀬戸内海の長島が、5月9日本土と結ばれた。長島は本土と30mしか離れていないが、1930年代の開設以来隔離されていた。
フィリピンの囚人から腎臓を買う フィリピンの病院で大阪市の男性が生体腎の移植手術を受けたが、その腎臓がモンテンルパ刑務所の囚人から提供されたものだったことが、6月28日、マニラの日本大使館の調べでわかった。この男性は、東京・海外腎移植事情研究協会のあっせんを受け、同協会に1,800万円支払っていた。9月2日、同刑務所の副所長は腎臓を提供した囚人は36人にのぼり、提供に際して囚人は金を得るだけでなく、減刑も受けていると語った。
黒人人形サンボ・〈ちびくろサンボ〉消える 11月7日、サンリオ・サンフランシスコ現地法人は、黒人人形サンボの販売を日本で中止したと発表した。7月22日付け〈ワシントンポスト〉紙は、日本で流行しているサンボ人形などを人種差別的と批判していた。翌23日に自民党・渡辺政調会長が黒人差別的な発言をしたことから、8月にはアメリカ議会黒人議員連盟が竹下首相にあてた抗議文を公表、また日本商品ボイコットなどの抗議運動を起こすことを表明していた。12月、講談社、小学館、学研、岩波書店が児童書〈ちびくろサンボ〉の絶版を決定した。

トピックス

世間の波よ静まれ!昭和天皇、病おもし 8月15日の終戦記念日、病中の天皇は強く希望して戦没者追悼式に出席、「今なお胸が痛みます」とお言葉を述べられたが、9月19日に出血。重篤な病状が告げられると〈5時から男〉も〈オバタリアン〉もしょんぼり、「24時間戦えますか」と仕事に駆り立てられるサラリーマ㎜も粛然とした。各地の秋祭りや運動会は中止、もしくは規模を縮小して回復を祈ったが、明けて1月7日、天皇崩御。激動の昭和の幕が下りた。
汚れたリクルートかもめ 「これは私どもの気持ちでございます」差し出す大型封筒の中に100万円の札が5つ。・・・こんなシーンが9月5日午後6時のテレビ〈ニュース・プラス1〉で全国に流れた。未公開株譲渡を追求する国会での質問を和らげるため、リクルートコスモスの松原社長室長が演じた贈賄作戦だったが、相手が悪い。〈国会の爆弾男〉社会党の楢崎弥之助議員だった。すでに森喜朗元文相、竹下登首相、中曽根康弘前首相、安部晋太郎幹事長、宮澤喜一蔵相、渡辺美智雄政調会長ら自民党大物の名が上がっている。官僚、財界、野党、マスコミ、文化人にさえ未公開株が渡っていた。しかし〈偉い人〉たちは、〈秘書が〉、〈妻が〉と醜い逃げを打ち、リクルートの江副浩正会長は翌年に逮捕されたが、政界で起訴されたのは藤波孝生元官房長官ら少数に留まった。ある事情通の言葉によればこうなる。「リクルートは新興勢力だから慣れてなかった。昔はもっと上手にやってたよ」
金賢姫と李恩恵 前年11月、ソウルオリンピックの足を引っ張りたい北朝鮮が大韓航空機を爆破。逮捕された蜂谷真由美こと金賢姫は、すっぴんでも充分美しい工作員だった。ところが、1月15日、ソウルの記者会見でとんでもない事実が明らかにされた。彼女に〈日本人教育〉した〈李恩恵〉は日本女性だったというのだ。1979年頃に日本海岸から船で拉致された、離婚歴と2人の子どもがある、山口百恵と加藤登紀子のファンで埼玉に姉がいる・・・これらの情報から、警視庁が田口八重子さんの名を突き止めたのは1991年。他に福井県の地村保志さんと浜本富貴恵さん、鹿児島市の市川修一さんと増元るみ子さん、新潟県の蓮池薫さんと億土祐木子さんの3組のカップルの失踪が浮上。1997年には新潟市から消息を絶った横田めぐみさんの拉致疑惑も注目を集めるようになった。未だ未解決の拉致問題・・・その扉を開けたのは、日本の娘よりきれいな日本語を話す朝鮮義人だった。
開幕はタイソンと巨人、そして、ひばり 3月17日に完成した〈東京ドーム〉は野球のできる劇場。幕開けはマイク・タイソンの世界ヘビー級タイトル戦だった。2ランド25秒でトニー・タップスをKOした試合のチケットは、リングサイドで10万円。待ちに待った野球の初戦は4月8日、別称〈BIG・EGG〉をフランチャイズとする巨人軍は、駒田・鴻野・クロマティ・原・吉村・篠塚・中畑・山倉・桑田の布陣でヤクルト戦を迎えた。その3日後には慢性肝炎と両側大腿骨骨頭壊死の治療から回復した美空ひばりが〈不死鳥コンサート〉を行った。ステージに一番近い病室のような楽屋を訪れた浅丘ルリ子が「大丈夫?」と声をかけると、「大丈夫じゃないけど、がんばる」と答え、観客には約100mの花道を歩いて見せ、39曲歌った。しかし、不世出の大スターも昭和とともに逝った。(平成元年6月24日没)
朝6時まで参ります 前年4月に始まった〈朝までテレビ〉は1988年7月30日、〈徹底討論・原発〉を放映。反響が大きかったのでCMを抜いて再放送された。また9月の最終金曜日、〈オリンピックと日本人〉と題する討論は、途中から天皇制に論点を移したが、実は舛添要一と猪瀬直樹を火付け役に、あらかじめ表題から逸脱するように企画されたものだった。原則は生放送だが、出演者の衝撃が予想されるテーマの場合、警視庁などの要請で、事前収録することもあった。3年後の9月には、麻原彰晃、影山民夫らを招き〈激論!宗教と若者〉を放映している。司会は渡辺宜嗣アナと美里(田丸)美寿々、討論司会の第1回は利根川裕、第2回は筑紫哲也だったが、後に田原総一郎に1本化され、タブーだった差別問題にも果敢に挑戦。田原が休む時は野坂昭如、大島渚らが代役を務めた。困難なテーマが多く、結論や解決策は常に先送りだったが、視聴者の多くは、小田実、西部邁、呉智英、石川好、高野孟、小沢遼子、大谷昭宏ら、活字でしか接しようのない論客と直に議論したような気分で朝を迎えた。
激動の昭和閉幕 天皇の吐血、下血の止まらない秋から暮れにかけて、井上陽水が「みなさん、お元気ですか?」と語りかける日産セフィ―ロのCMは口パクになり、トヨタ。カリーナの〈生きる歓び)のポスターも回収された。テレビは過激なバラエティを削減し、映画や旅ものに番組を変更、しばしば昭和を回顧する特別番組が放映された。NHKの〈紅白歌合戦〉は中止が検討されたが、通常通りの開演となり、キャプテンは和田アキ子と加山雄三、トリは小林幸子の〈雪椿〉、北島三郎の〈年輪〉で締めくくった。各地に記帳所が設けられ、計900万人が 記帳して病気平癒を祈ったが、明けて昭和64年(1989年)1月7日、ついに天皇は崩御。皇太子・明仁親王が即位して、元号は〈平成〉に改まった。昭和天皇は海洋生物の研究者で、自然に寄せる思いが深かった。盧溝橋事件のあった昭和12年(1937年)、吹上御苑のゴルフ場の使用をやめ、「そのままでよい。雑草という植物はないのだからね」手を加えず自然に帰し、皇居内に武蔵野の森を復元した。

総理大臣

竹下登

流行語

トラバーユ、W浅野、おたく、今井美樹、濡れ落葉、ドラクエⅢ、日本製コンピュータ・ウイルス、やっぱり猫が好き、トマト銀行、バサロ、ミニ四駆、夫婦別姓、過労死、ニッチ、ねこバス、ファジー、クール宅急便、ハナモク、ボージョレ―ヌーボ、今宵はここまでにいたしとうございまする、妻が秘書が、5時から男、ラッキー、むかつく、しょうゆ顔・ソース顔、とか。

流行歌

川の流れのように、乾杯、TATTOO、人魚姫、MUGO・ん・・色っぽい、雪椿、酒よ、パラダイス銀河、DAYBREAK、ANGEL

ヒットした映画

TOMORROW・明日、優駿、異人たちとの夏、敦煌、怪盗ルルビィ、となりのトトロ、火垂るの墓、危険な情事、月の輝く夜に、遠い夜明け、存在の耐えられない軽さ、ラストエンペラー、ベルリン・天使の詩、黒い瞳、芙蓉鎮、八月の鯨

ベストセラー

雪はよごれていた(澤地久枝)、凍れる瞳(西木正明)、遠い海から来たCOO(影山民夫)、尋ね人の時間(新井満)、楽しい夕食(金子信雄)、裕さん、抱きしめたい(石原まき子)、ゲームの達人(シェルダン)/アエラ・HaNaKo創刊/婦人倶楽部・平凡パンチ・PENTHOUSE廃刊/漫画週刊少年ジャンプ500万部発行

参考文献

書籍

  1. 昭和・平成史年表(平凡社)
  2. 自分史ノート(朝日新聞)
  3. 年表昭和・平成史(岩波書店)
  4. 昭和時代【昭和倶楽部編】(成美社出版)

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