ライフヒストリー良知

良知の知識と智慧

聞く力-インタビュー / 智慧

1.良き聴き手とは(No1)

(1)集中的傾聴ー語り手の立場で考える
「語り手」を太鼓を「聴き手」をという撥(ばち)で叩いて音を出す。「聴き手」は撥を持った瞬間から太鼓をどう叩くのか考える。たとえ叩き方にどんな自信があったところで、撥はあくまで撥であって、太鼓がなければ音はしない。従って、「語り手」であるある相手にしっかりと意識の焦点を当て、コミュニケーションをとりながら進めていく。

(2)映像的想起ー話を映像的に思い浮かべながら聴く
「聴き手」がインタビューする際、「語り手」の経験や出来事の様子を聴くとき、その状況をくわしく知るために、「語り手」の話す内容をなるべく立体的な組み立て、或いは映像的に想起させながらインタビューしていくと、話によりリアリティをもたせることができる。

(3)共鳴ー相手に話に弾みをつける
太鼓と撥の例でいえば、太鼓の演奏に大事なことはリズムである。音の強弱がうまく混ざりあってこそ、心地よい演奏が聴ける。このリズムを整えるのが「聴き手」の大事な役目である。いわゆる「合いの手」、或いは「相槌」が必要になる。

(4)好奇心ー相手から学ぶ気持ちを持つ
「聴き手」が投げかける問いによって、「語り手」は好むと好まざるとにかかわらず、ほとんどの場合、問いに対する答えを話しているということだ。「聴き手」が、質問をある特別な方向に投げることによって、「語り手」が持っている人生、教養、知識、情報のなかから、その方向に沿った「言葉」を得られるということである。

2.より良き聴き手とは(No2)

(1)明確化ー「語り手」の言いたいことを集約化する
「聴き手」はある目的を持って、「語り手」に尋ねなければならない。納得いかなければ完全に理解できるまで“聴く”努力が必要だ。「語り手」の話の核心を探り、それを確認することが「聴き手」における最大の目的である。そのためには「聴き手」にかなりの知識が必要である。

(2)反論ー「語り手」の意見に反対することで、新たな主張を得る
「聴き手」による「積極的傾聴」によって、「語り手」の言いたいことが明確化されたあと、話の中心になる事項があまりにも簡単に処理されすぎた場合、「聴き手」は別の角度から迫ることも必要である。

(3)中断ー「ちょっと待ってください」で整理する
「集中的傾聴」によって「語り手」の話がはっきりし、さらに「聴き手」によって「反論」が行われてくると、インタビューは佳境にはいる。しかし一方では、あまりにも話が盛り上がって拡大化してしまい、途中で話の内容が拡散してしまう可能性がある。そんなときに「中断のスキル」を用いる。これは、話を「聴き手」がいったん整理し、これから「語り手」に話をしてもらう話題の道筋をつけることだ。話がどこから別の話題に変わったのかを記憶しておくことだ。

(4)移動ーインタビューの場所を変える
1回のインタビューならともかく、2回、3回とロングインタビューを行う際、場所をなるべく変えるほうがいい。それによって質問事項が代わることが多いからだ。

(5)浄化ーユーモアや笑いを働かせる
長時間、真面目にインタビューを続けることは、「語り手」が難しい問題を語る際、「聴き手」にとってかなり苦痛を伴うことがある。そんなときは、ユーモアや笑いを交えると雰囲気もほぐれ、効果的なインタビューになりやすい。

(6)倍音ーこれができれば最高の「聴き手」
「語り手」に対する知識、愛情、教養、人間的魅力を感じさせ、そのうえで、「語り手」の精神をあますことなく聞き出し名作にする。「倍音」とは、基本の振動数の整数倍の振動数をもつ音のこと。「聴き手」がいつの間にか、「聴き手」の枠を超えて「語り手」を刺激し、その質問をする内容が「語り手」の話す内容を深く広くしていく。つまり、「語り手」の話す内容を「聴き手」が大きく膨らませ、その膨らませたものがまた、次の話題になっていくのである。