ライフヒストリー良知

良知の知識と智慧

聞く力-インタビュー / 語彙

アセスメント

顧客の目標設定を明確化するための履歴や生活歴などを調査票

エバルエーション

コーチングによって顧客の期待通り、成果が生み出されたか評価、検証すること

コーチング

“ライフヒストリー良知”における目標は、顧客の生き様や思考、行動様式を子孫や知人・友人、社会に対して文書にして残すこと、同時に顧客の記憶の維持や向上をはかることであり、目標達成のための「口述自伝」作成に向け必要なスキル、考え方、知識、ノウハウなどを支援する(コーチ)するプロセスのこと

承認(アクノレッジメント)

顧客の存在そのものを認める行為。コーチであるライフヒストリアンは顧客の安全基地として、顧客が積極的にチャレンジしようとすることを支えていくこと

質問の種類

「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」

クローズド・クエスチョン

オープン・クエスチョン

・Yes/Noで回答可能な質問

・5W1Hの疑問詞を使った質問

目的

・事実や内容の確認をとる

・コミットメントを高める

・気持ちを引き締める

・広く情報を収集する

・具体化する

・相手に考えさせる

特徴

・回答しやすい

・スピード感がある

・Yes/Noなので、質問の中にすでに答え

が提示されている

・相手に自由な発想や意見を聞く

際に有効

・相手が自分で答えを見つめることを期

待する質問であるため、自発性を引き

出す効果がある

ラポール

2人の人の間にある相互信頼の関係。すなわち,「心が通い合っている」「どんなことでも打明けられる」「言ったことが十分に理解される」と感じられる関係。

マズローの5段階欲求

マズローの5段階欲求

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲するというもの。第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)で、この欲求を充たせれば、次の階層「安全欲求」を求める。「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれる。「安全欲求」を充たすと「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求める。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなる。ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求。
そして次に「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生える。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わる。
最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれる。

マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表した。それは「自己超 越」という段階。「目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求める」という領域で、見返りも求めずエゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭するという領域をいう。

ジョハリーの窓

自己には「公開された自己」(open self) と「隠された自己」(hidden self) があると共に、「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己」(blind self) や「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self) もあると考えられる。これらを障子の格子のように図解し、格子をその四角の枠に固定されていないものとして、格子のみ移動しながら考えると、誰からもまだ知られていない自己が小さくなれば、それはフィードバックされているという事であるし、公開された自己が大きくなれば、それは自己開示が進んでいるととる事が出来るだろう。
コミュニケーション心理学や健康心理学などでは、よく話題になるモデルである。

インタビュー技術、56の心得

私たちが進める口述自伝制作“ライフヒストリー良知”事業において、幾つかの専門的知識と技術と経験が必要とされます。その中でもっとも大切なもののひとつにインタビュー技術があります。私なりにその心得を56に分けて要約してみました。

(1)インタビューは、インタビュアー(聴き手・訊き手)と語り手の相互協力で成り立っている。

(2)インタビュアーは個人として人々に関心と尊敬と信頼の念を持っていなければならない。

(3)語り手の話しに反応する柔軟性、相手の視点や言い分に対して理解と共感を示す能力が必要である。

(4)インタビューする場所の決定は、なるべく語り手の都合に合わせる。ただし、インタビューに向かない場所もある。

(5)自分について語ることを止めることができなかったり、語り手に反応したり、自分の考えを語り手に押し付けたりする誘惑を抑制できない者はインタビューアとして失格である。

(6)インタビューは「対話」でも「会話」でもない。インタビューで最も重要なことは、語り手に語ってもらうことである。

(7)はじめに、語り手に関する背景的な情報を集めなければならない。

(8)可能であれば、予備調査的なインタビューを行うこともある。

(9)語り手がインタビュアーより情報がない場合、インタビューは成立しないし、する意味がない。

(10)インタビュアーは沈黙を恐れてはならない。また沈黙に負けてはならない。沈黙はしばしば語り手に考える時間や話の内容を整理させるのに役に立ちさえする。

(11)ある種の沈黙は語り手を不安にさせることがある。その場合、インタビュアーは素早くその危険を察知して次の適切かつしっかりした質問によって語り手を励まさなければならない。

(12)インタビュアーは人々に学ぶ心構えで話を聴かなければならない。

(13)インタビュアーの「無知」がよい結果を生むこともあり得る。

(14)インタビュアーが無知がよいということではない。知識や経験が豊かであれば、語り手から意味のある情報を得ることができる。

(15)語り手がインタビュアーの知識を確かめるという場合も少なくない。語り手もインタビュアーを観察しているのである。それに耐え得る「実力」をインタビュアーは要求されている。

(16)語り手が語る地域や職業、それらに関する習慣、専門用語についての知識は、できるだけ事前に調べておく必要がある。

(17)準備した質問が無意味だということがわかってもなお質問を継続することは致命的な結果をもたらす。

(18)事前に準備した質問が有効でないことをわかったら、すぐ別の、その場の話の流れを切断させない質問に切り替えなければならない。

(19)発問のことばは語り手の答えを規定する。たとえば、「何歳で結婚したか」と「その時どうして結婚する気持ちになったのか」では答えが変わってくる。そうすればインタビュアーは次の質問が楽になる。

(20)インタビュアーは語り手がすでに放した内容について、再び質問をしてはならない。インタビュアーがどこまで進行しているか、大きな集中力が要求される。

(21)おしゃべりな語り手に出会った場合は、なるべく語り手の語りに頼ったほうがよい。インタビュアーは、語り手の語り手の語りに対して合いの手を入れる程度の反応をし、補完的な質問をすればいい。

(22)インタビュアーの語り手に対する表情も重要である。何を聴いても驚かないとか笑わないとういのはインタビュアーとしての資質に問題があるといってよい。

(23)逆に、語り手の話しに反応してしまうのも問題である。

(24)語り手はインタビュアーのことばはもちろん、全身を観察しながら語るのである。語り手はインタビュアーから励ましを受けることもあれば、がっかりさせられ話す気力を失わされることもある。

(25)インタビュアーは自ら緊張せず焦らない状態を保持する必要がある。語り手にインタビュアーのそうした状態が反応するからだ。

(26)インタビュアーは語り手が語っている間、語り手の話に集中しなくてはならないが、間合いを見て必要なメモは取らなければならない。後で確認の質問をするためである。

(27)インタビュアーは語り手にあれこれ考える時間を十分に与えたほうがよい。インタビューを支配しようと思ってはならない。

(28)語り手が自分の人生の何を語り、何を語らないか、どういう順番で話し、何を強調するかなどインタビュアーは細心の注意を払うべきである。そういう事柄すべて重要な情報のひとつである。

(29)インタビュアーは語り手の語りを中断させない範囲で質問することが許される。語り手がいま語った話の内容に疑問や矛盾を感じた場合、別の角度から発問すべきである。

(30)インタビューの順番は、➀導入、➁展開、➂確認ということになる。

(31)➀では必ずしもことばによらない励ましを語り手に与え、語り手が十分に離せる環境づくりに注意を払う。

(32)➁の段階では、➀で話された内容をさらに詳細な点について話してもらうことが主眼となる。話の広がり、「聞き書き」がスト―リーとして成立するためのディテールを聴くことにある。

(33)➂は➀➁の話で不明だった部分や、話の不整合について確認する段階ということになる。

(34)質問はなるべき単純で直接なほうがいい時がある。その場合はひとつの質問のなかに複数の回答が可能な質問(ダブル・バーレル)をできるだけしないように心がける。

(35)誘導的な質問やインタビュアーの評価や価値判断が鮮明になるような質問は避けたほうがよい。ただし、語り手がひじょうにはっきりした意見や立場を持っている場合、或いは一般社会常識としては受け入れないような答えが出てくることが予想されるような場合は、誘導的な質問をすることが有効である。リスクも大きいが得るものも大きい場合がある。

(36)常に時間に余裕を持ってインタビューに臨まなければならない。インタビューを約束した時間に遅れるのは論外にしても、インタビューの終わる時間を急ぐのは決してよい結果につながらない。インタビュー」は余裕を持って終わらなければならない。また、語り手の疲労度や気乗りの具合なども計算に入れて「終わりの時」を決めなければならない。

(37)出会いよりも去る際が難しいのは人生でも同じである。インタビューの時間は、始まる時間も終わる時間も、すべて語り手の都合に合わせるように心がけなければならない。

(38)通常の場合、発問は語り手に答えを示唆しないように注意深く表現されなけれならない。そうでないと、語り手の答えはすべて「はい」と「いいえ」ということになってしまう危険がある。

(39)たとえば、ある出来事の日付けを確定させる場合、語り手の人生の節目との関連で確定させるのがよい。結婚したときとか転職したとき、出産したときや転居したときというように。

(40)誘導的発問とは、たとえば「あなたは仕事を楽しんでいましたか?」というような発問の仕方である。これをニュートラルに発問するとすれば、「あなたは自分の仕事が好きでしたか、それとも好きではなかったですか」とか「あなたはあなたの仕事についてどのように感じていましたか」というような発問になる。

(41)語られる話の背景となる基本的事実については、すべて語り手の話から得なければならない。仮にインタビュアーが事前にその情報を持っていたとしても、父母の出自や職業、本人の出生や教育、職業、結婚などに関する基本的事実はインタビューによって明らかにすべきである。

(42)1回のインタビューの時間は1時間半、長くても2時間とする。語り手もインタビュアーもそれ以上長時間の緊張に耐えることはできない。

(43)語り手が傷つくかも知れないような危険性のある話や微妙なことに関する発問は、原則としてインタビューの最終段階までしないほうがよい。

(44)語り手が答えを渋るようだったら、無理強いはしないほうがいい。

(45)インタビュアーはインタビューにあたってその方法を決める必要がある。➀ひとつのテーマに集中して訊くか、➁人生全体について訊くか、➀の場合は、ある限られた時期についてということもあり、その語り手の職業のついてということもある。

(46)インタビューにあたって「質問地図」を作ることはよいことである。重要な質問事項を簡単に書き出しておくだけの概略リストでもよい。

(47)語り手がその人生を振り返るときは、必ずしも楽しい思い出ばかりとは限らない。過去を語って涙を流し、話すことさえできないほど感情が高ぶることもある。そんなとき、レコーダーを切る勇気もインタビュアーに必要である。

(48)何について質問するのが価値あることか、どう訊き聴くのがいちばんいいか、そういうことが明確であればあるほど語り手からより多くの情報を引き出すことができる。

(49)おしゃべりな語り手にインタビューの方向や内容を決定させるのは決して悪いことではない。語り手にそれを任せるのは重インタビューの要の手法のひとつである。

(50)語りは可能な限り中断させるべきではない。語りを中断させることは、単に話の腰を折るだけでなく、無意識に語り手が語るかも知れなかった情報の開陳を妨げることになる可能性があるからである。中断によって永遠に陽の目を
見なくなる情報があるかもしれないのである。

(51)語り手が十分に語りつくした後に必要な質問をすべきである。

(52)型破りの答えを回避するには、ありふれた日常のことを話題にするのがよい。そういった何気ない日常の話で自発的に話せる環境をつくるのである。そうすれば、より核心に迫る話題に変換するのが容易になる。

(53)インタビューには慎重さと大胆さ、それに粘り強さが不可欠である。

(54)「質問地図」は事前に語り手に見せるべきでない。話し手に予断を与えるからである。

(55)インタビューが終わって退座するのはよくない。「余韻の話」が必要である。この「余韻の話」には語るべき核心の話が出現することが多い。インタビューは終わったところから始まると心得よ。

(56)インタビュー原稿が完成したら、必ずその原稿は語り手に見せなければならない。語り手のチェックを受けるほうがいい。そうすれば「聞き書き」者の誤りが防止できるし、語り手に不満を生じさせないですむ。