ライフヒストリー良知

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ご挨拶

 かつて、心理学者アドラーは『人が自分自身と人生に与える意味を的確に理解するための最大の助けになるのは“記憶”である。』と言いました。

 また、心理学者榎本博明は、『記憶はというのは、どんな些細な事柄と思われるものであっても、本人にとって何か記憶する価値のあるものなのである。自分にまつわるエピソードが想起され、語られるとき、重要なのはエピソードそのものの事実性ではなく、そのエピソードが記憶され想起され語られるということなのだ』と論じています。

 明治時代の宗教家内村鑑三は、その著書「後世への最大遺物」の中で、『最大遺物とは何であるか。私が考えてみますに人間が後世に遺すことのできる、ソウしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯である。』と主張しました。

 今、中高齢者の間で、自分の生涯の歴史を書き上げる「自分史」の作成がブームになっています。しかし、話をすることはできても、自らが自分史を書くという行為は、なかなか難しいものがあります。話をすることと書くこととは、働く脳の部位が違うからです。

 高齢化社会の到来を迎え、それを豊かなものにしていくため、わが社は“ライフヒストリー良知”事業を推進していまいります。これは、皆様の記憶を辿りながら話される人生の経験や歴史を聞き取り、皆様の言い回しや口調、方言なども大切にし表現されたものを文章化、口述自伝(ライフヒストリーブック」として、皆様の子や孫、友人や知人、そして広く社会や後世に最高の遺物として残していくというものです。

 21世紀は「脳の時代」と言われています。様々な画像技術が開発され、心理学と双璧をなす脳科学が目覚ましい進歩をとげています。わが社は人々の「記憶」の研究に傾注し、「話し手」と「聞き手」が相互協力しながら口述自伝(ライフヒストリーブック)を作成していきます。記憶されたものを思い出し、再認することによって、脳の海馬や前頭葉などの機能を高め、記憶力の維持や向上に寄与していきます。

 わが社は、脳機能の強化を伴う口述自伝(ライフヒストリーブック」の作成によって、これまで力があり名を馳せた人々だけの歴史から、普通の人々の高尚なる歴史が生み出されることを期待しています。

日本庭園(6)

 

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代表取締役 姜永根(カンヨングン)