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エビングハウスの忘却曲線

記憶には、『覚える』、『覚えておく』、『思い出す』、『忘れる』というプロセスがあります。

『忘れる』、つまり『忘却』についてドイツの実験心理学者エビングハウスという人が、1880年代に記憶の研究を実験室に持ち込むことに成功しました。これが有名な「エビングハウスの忘却曲線」です。

エビングハウスは、この実験で記憶保存について、カギとなる二つの原理を発見しました。

ひとつが、意味のない3つのアルファベットの羅列を、被験者にたくさん覚えさせて、その記憶がどのようなスピードで忘れられていくかを調べた。初めの4時間の間に半分近く忘れ、その後は、残りの記憶を少しづつ忘れるという曲線を描いています。つまり、覚えた直後にどっと忘れて、それを乗り越えた記憶はわりと長く保持される傾向にあるというのです。

もうひとつは、上の文字列を覚えさせるテストした人に、何日か空けて、もう一度、同じ文字列を暗記させる。そうすると1回目に比べて2回目のほうが忘れにくくなっていくというのです。また、3回目になるとその効果はてきめんに現れます。これは、1回目のテストで思い出せなくなってしまった文字列はじつは完全に忘れてしまったわけではなく、意識下の脳に蓄えられていたということを意味している。つまり、記憶は反復するとより長く持続するということなのです。

また、この実験によると、1ケ月以上空けてしまうと2回目のテストを行っても記憶力はほとんど増強されない。これからみると、どうやら無意識の記憶の保存期限は1ケ月程度のようです。

勉強に復習が大事というのは、100年以上前にエビングハウスが証明していたのですね。

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