ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

意味記憶とエピソード記憶

脳の健康や老化について研究している東大の池谷裕二博士が言うには、

『ものごとを理解し連合させるとその分覚えやすくなる。この事象の内容を連合させてより豊富にすることを「精緻化」という。常に「精緻化」を心がけていれば、記憶がたやすくなり、かつ、その記憶も有用なものになる』

『さらに重要なことは、ただ単に知識的な連合に努めるより、自分の「経験」に結びつけて記憶したほうがよい。なぜなら、自分の体験が関連してくれば、その記憶は「エピソード記憶」となるからだ。「エピソード記憶」は、「意味記憶」として覚えるよりも「忘れにくい」ということ、そして、いつでも「思い出す」ことができることだ。』

『エピソード記憶を簡単に作る方法は、覚えた知識(意味記憶)を友達や家族などに話したり説明してみることで、これがきっかけとなり容易に思い出すことができる。』

『年を取ると、脳には「意味記憶」の割合が多くなっていく。これが「度忘れ」が激しくなる理由。記憶は脳の中に保存されているのが「意味記憶」なので、「きっかけ」が十分でないと思い出せない。思い出せない記憶は、「錆びた引き出し」同然で使いものにならない。』

などのことがらです。

度忘れしてはいけない知識に関しては、ときおり人に話をしたり説明してみるなど、エピソード記憶として保存するための努力を忘れてはいけないのですね。

屋久島