ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

ライフヒストリー良知の目的

ライフヒストリー良知の目的

人の長期記憶には、意味記憶とエピソード記憶(自伝的記憶)、手続きの記憶、そしてプライミング(無意識の記憶)があります。

意味記憶はエピソード記憶と共に働きます。高校のとき県大会で優勝した瞬間、雪が降っていた大学の入学式、初めてのキス、汗だくになって来場者と対話した学園祭など。

エピソードとは過去の経験の集合体ですね。いわば個人的なスクラップブック、心の日記帳、内なるフェイスブックのタイムライン。つまり、「エピソード記憶」とは特定の時間と場所で起きた記憶を整理するメカニズムのことなのです。

これにアクセスすると、そこで観た美しい風景、そこで聴いた心地よい音楽、そこで嗅いだ芳しい香り、そこにいた素敵な人々をイメージすることができますね。

自分が何者であるかを決めるのは、まさにこの記憶なのですよ。

しかし、記憶というのは歪められます。いったん自分の記憶と他人の記憶に疑問を抱くようになれば、昔の大切な出来事がまるで粘土細工のように作り直されます。

また、実際に起こった出来事ではないのに本物の記憶のように錯覚してしまうことすらあります。
でも、

逆に考えれば、昔の出来事を丁寧に聴きだし訊くことによって、たとえ過去の苦しく辛い体験であっても、その人にとって意味のある大切なこととして解釈し直すことが出来るようになるんですよ。

そう、これがライフヒストリー良知の目的なのです。

【記憶は、ニューロン(神経細胞)を新しく増やし、またニューロン同士のシナプス(つなぎ目)を強く結合させることで、強化されます。】