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MCI(軽度認知障害)

毎日暑い日が続きますね。今年の夏は特にそれを感じます。

この暑さで高齢者の方々が熱中症で病院に運ばれたというニュースをよく耳にします。年を重ねていくと暑さや寒さに対する耐久力が無くなっていくので注意が必要です。

ところで、MCI(軽度認知障害)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?記憶や認知の衰えが気になる人であっても、一昔前なら異常な行動や誰もがおかしいと思うような症状が出てから医師に見せるのが普通でした。しかし最近はもっと軽いMCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)の段階で診断することが増えています。

MCIは、健常な人と認知症の中間の段階、つまりグレーソーンなので、MCIと診断されても全ての人が認知症になるわけではありません。その診断基準は、本人が認知機能が低下している自覚があるとか、もしくは周囲がそれを感じている段階と言えます。会話も普通にできるし日常生活に何ら支障はありません。ただし、物忘れがよく目立ちますね。

ある調査では、MCIと診断された人のなかで1年に認知症に進行する人は10~15%、4年以内では50%という結果が出ています。またその内、70%は認知機能が徐々に低下したが、30%は低下しなかったという結果にもなっていますね。現状では、このMCIを治す薬はありません。

これまで、私はこのMCI状態の高齢者をたくさん見てきたし、今も多くの人と関わっています。時間がある時は脳に貯蔵されている記憶を蘇らせる様々な認知活動を積極的に行うようにしています。つまり、生まれたところ、学校や友達のこと、仕事でのエピソード、家族に対する思いなど、古い記憶を検索し想起させるためいろんな質問をしたりしています。MCIから認知症に移行させないために、良き質問者や聴き手の存在がとても大切です。それによってMCIから正常な脳へ劇的に戻っていくことも経験してきました。

これからますますMCIになる人たちが増えていきます。今の自分の脳の状態をしっかり把握して、忘れっぽくなったなぁと思ったらそんなセラピストと関わり、今から然るべき対策を行っていくべきと思いますね。