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90歳の理想

ライフヒストリー良知の聞き書きの仕事や介護施設での業務で、90歳を高齢の人たちと関わることが多くなってきています。90歳になっても元気な人とそうでない人との違いは何でしょうか?また健康寿命の伸ばす人と健康寿命がすでに無くなっている人との違いとは?

これまで数多くの人たちの日常の生活を見てきましたが、つぶさに観察するとその違いがたいへんよくわかります。ひとことで言って90歳になっても健康な人は、規則正しい生活パターンと柔軟な思考、そして自制心を持っていますね。そこに“自分が90歳の時にはこうありたい”という老年期の理想の姿を見ることができます。

年を取ると言うことは様々な病気と戦うということと同義語です。身体だけではなく心の病も若い人のそれとは違い高齢者の独特の症状が出たり、脳の機能を損なう認知症なども85歳以上になるとほぼふらりにひとりがかかるたいへんやっかいな疾病ですね。

理想の90歳の人を見ていると、病気になっても、車いす生活でも、またいろんな喪失体験に遭遇しても、それらを乗り越えていく力があります。そして90歳になって自分の人生を振り返ったとき、“いろいろあったけど、これで良かったのだ”と達観しているような雰囲気を醸し出しています。

私たちも90歳の時にそんな心情を持つことができれば、素晴らしいですね。