ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

今年1年ありがとうございました。良いお年を

そもそも何のために『ライフヒストリー良知』の事業を行うのでしょうか?

私の両親はすでに亡くなっていますが、父や母が生前どんな考え方を持って生きようとしたのか、4人の子供をどんな気持ちで育てていこうとしたのか、その疑問があったからです。何もわからないのです。残っているものといえばアルバムにある写真だけです。日記や日誌を書いてきた形跡がなく、ましてやテープなどが残っているはずもありません。

また高齢者の介護事業に関わる中で、利用者の子供さんとよく話をしますが、自分の親の生き様や考え方を詳しく知っている人はそれほど多くはありません。昔は手紙でやりとりしたこともあったと思いますが、今ではメールやラインなどに書いて何かを伝えようとしても、親が子に、子が親に対して心の奥底を書くことはさほどないと思います。

親子間の対話はほとんどが話し言葉です。それを書き留めることはあまりしませんね。年を重ねていくとだんだんと親の記憶が薄れていきます。親が自分の生き様や考え方を残す機会を敢えて作っていかないと、親は子や孫に何も残さないまま天国に旅立ってしまうのです。

私の両親の生き様や考え方をもっと知りたいと思い、最近親戚の叔父や叔母にいろいろ話を詳しく聞いてみると、私が知らなかった事柄がこれでもかとたくさん湧き出てきます。不思議なくらい新鮮な気持ちになると同時に、生前中にそのことを知る術がなかったのかと後悔も生まれてくるのです。

「この後悔をなくしていきたい」というのが私の偽りのない心情なのです。

『ライフヒストリー良知』を推進する上でたくさんの人生経験や知識が必要になります。まずは事業家としての経験が大切です。そして心理、記憶、歴史、文章表現、インタビュー、遺伝などに関連する知識をこれまで数多く習得してきました。

ヨーロッパではある程度年齢を重ねた人はライフヒストリーを自分で書いたり、『ライフヒストリー良知』のようにライフヒストリアンに書いてもらったりして、それを子や孫、後世に遺すことがあたりまえのようになっています。この日本においても、そのような文化が創られていくようになればいいなと思っています。

今年1年ありがとうございました。来年も頑張ります。

どうぞ、みなさま、良いお年をお迎えください。

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