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四住期

サミュエル・ハンチントンと言う文明学者が世界を8つの文明圏に分けた話は有名ですね。

それは、①ヨーロッパ・キリスト教文明、②イスラム文明、③ロシア文明、④東南アジアから朝鮮半島にまたがる中華文明、⑤インド文明、⑥南北新大陸文明、⑦アフリカ文明、そして⑧日本文明、です。日本は単一民族・言語の国として単独で文明圏のひとつに数えられています。

この中のインドも独特の歴史、文化を持った極めて哲学的宗教的な民族で構成される国ですね。釈迦が創始した仏教はインドで生まれましたが、今はその影もありません。仏教は、かつては中国、今は日本や東南アジアの国々で拡がり定着しました

その古代インドで、『四住期』という考え方が、紀元前2世紀ごろに生まれ人々の間に拡がりました。これは人生を4つに区切ってそれぞれの生き方を示唆する思想です。すなわち、『学生期(がくしょうき)』、『家住期』、『林住期』、『遊行期』の4つです。これを漢語的な表現にすると『青春』、『朱夏』、『白秋』、『玄冬』となりますね。

年齢的にいうと『学生期』は0歳~25歳、『家住期』は25歳~50歳、『林住期』は50歳~75歳、『遊行期』は75歳~最期となるようです。しかし現代に照らし合わせて、『学生期』は0歳~25歳、『家住期』は25歳~60歳、『林住期』は60歳~80歳、『遊行期』は80歳~最期と変えてもいいかなと私は思っています。

『林住期』から人生の後半期。登山でいうと山頂に上りつめ下山に向かうときです。山を下りていくと、登るときはまったく違う周辺の景色や地上の世界が広がっていきます。頂点を目指していたときには何も見えずわからなかったそんな風景を楽しみながらゆっくりと下っていきます。私は『林住期』こそ人生の黄金期だと思います。

この時期をどう生きるか。次の『遊行期』はこの時期の過ごし方で決まっていくのでしょう。「ライフヒストリー良知」の顧客のほとんどがこの時期の方々です。私たちはこの『林住期』に花を添えるお手伝いをしているのです。

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