ライフヒストリー良知

ライフヒストリーブログ

双方向が大切

先週末に、埼玉県滑川町に行ってきました。夏の初めにライフヒストリーの業務を受注した女性社長であるAさんに会うためです。この秋に口述自伝はホームページ形式にして納品しましたが、とても喜んでおられましたね。今回ホームページに記載された内容について手直しがあり、掲載する写真を撮り、そして今後の進め方について打ち合わせをしました。

長い人生経験の中から、昔のことを思い出すのはなかなかたいへんなことです。忘れ去っている事柄が多いものです。また思い出したとしても記憶違いというものがかなりあります。もちろんその内容は偽りではありません。しかし遠い昔に見た風景の数々、出会った人たち、また語ったり聞いたりした言葉を正確に覚えているという人はほとんどいないのではないでしょうか。でも、それがあたりまえなのです。大切なのは過去を振り返る、思い出すという行動そのものなのです。

私は、口述自伝制作に向けた“ライフヒストリー良知”の業務の中で、人の記憶をあいまいさを考えた時に、聴いた内容についてすぐ手直しができることを念頭に置く必要があると考えていました。私とお客様とが双方向で対話し、聞き書きし、後で記憶違いや解釈違いに気づいたときに校正や推敲ができるものにしないとだめなのです。

自分史や自叙伝を書くとき、完成したものをすぐハードブックにして出版しようとします。しかしそれだと後に記憶違いなどがわかった場合はもう手遅れです。高額な費用をかけて本にするというのはある意味大きなリスクを伴うのですね。

ただ、活字にして豪華な表紙の素敵な書物にするというのは、お客様の切実な願いでもあります。

現在ホームページの中に『私のライフヒストリー』という項目を作り、お客さんにインタビューした内容を書き入れています。幾つかの時代に分けて、少ないページでも電子書籍にしていきます。そして最終的には、日本経済新聞の裏面にある『私の履歴書』のようなその方だけの「人生の物語」を本にして、家族や友人に呼んでもらったり、まだ見ぬ子孫のために遺していこうと思います。

Aさんとそんなお話をして、「かんさんに夢をもらっているわ」とAさんは仰っていました。

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