ライフヒストリー良知

3-1 自伝セラピー

私たちライフヒストリアンが共感しながらインタビューすると、みなさまが生きてきた歴史や物語を語ることによって、気持ちが豊かになり、カタルシス(心の浄化)というべき効果を得ることができます。これを私たちは自伝セラピーと呼んでいます。 

インタビューするときは、できる限り慣れ親しんだ言葉を使い、単純に直接的な方法で訊いていきます。この時、ライフヒストリアンは、みなさまのことに関心を持ち、気遣いしながら、共感して訊きます。このことでみなさんの語りが深くなっていきます。 

みなさまの、人生でもっとも幸せな時期がいつだったのか?もっとも大きな成功したと思っていることは何か?感情豊かなインタビューで、幸せな時や成功体験を尋ねて語ってもらうことで、きっと微笑みが戻ってくるでしょう。

もしかしたり、レコーダーを止めてから、もっとも大切なことが語られるかもしれません。レコーダーが回っているときは、話せないことがありますから。 

語ることそのものにカウンセリング的な効果を得られます。みなさんの個人の経験を語ることで心が洗われ豊かになり、よりいっそうこれからの人生に希望を抱き、主体的に生き方ができるようになるでしょう。 

自分の過去の経験や出来事を振り返ることは、高い目標を持って運命を切り開くもっとも重要な方法のひとつなのですね。